第6章・第23話「ほとばしるエレキ」

透明猫・レス「タマ…!」
ナレーション「タマはソレイユを抱えている。ソレイユは目を閉じたまま眠っているようだった。」
風船猫・タマ「ソレイユ、起きて…」
ソレイユ「…生きてる…?」
風船猫・タマ「一緒に戦おう。」
ナレーション「静かに、瞬きもせずにじっとタマを見つめていたソレイユ。タマは人懐っこい笑顔をソレイユに向ける。その笑顔に答えるようにソレイユは立ち上がって天馬を睨みつけた。」
天馬「オマエノテキハ…!オマエノソバニイル『タマ』デハナイノカ!」
ナレーション「天馬は明らかに狼狽しながらソレイユに問い掛ける。ソレイユは口元にかすかな笑みを浮かべながら天馬の言葉を否定した」
ソレイユ「ほう、私がいつそんなこと言った…?お前の一人相撲だったのではないのか…?」
天馬「ナ、ナニィ?」

透明猫・レス「一体なにがあったんだ…?」
ナレーション「ソレイユの態度の変化に驚いたのはレス達だ。さっきまでのソレイユの刺々しさは消えて優しい眼差しでタマを見つめたかと思えば味方らしい行動をする。」
透明猫・レス「いつの間にそんな関係になったんだ?」
風船猫・タマ「…な、なにが?」
雪猫・ケイン「…(意外そうな目でタマを見てる)」
炎猫・フレイヤ「さっきのタマさん達が恋人同士に見えましたよ。」
風船猫・タマ「誰と誰が?」
ソレイユ「(まっかになって怒鳴る)お前たち!こいつを倒すんじゃないのか!!」
風船猫・タマ「どうして怒ってるの?」
ソレイユ「うるさい!うるさーい!」
雷猫・サンダー「(レスと顔を見合わせてあきれている)」
風船猫・タマ「…??」
ナレーション「タマは真っ赤になったソレイユの顔を目を丸くしてみていた。レスは思った。こいつにはまだ女心は分からぬだろう、だが、それがタマのいいところでもあると。」


風船猫・タマ「ところでレスの持っている盾がどうのこうの言ってたけど…」
雪猫・ケイン「ああ、こいつか」

ギン(十文字の元上司)「波長に関係してるみたいだな」
ナレーション「その頃遠くから様子をみていたギンはレスの心の波長でできた分光が虹になった、と解説し始めた。」
十文字「どういう意味ですか?」
ギン(十文字の元上司)「つまり、持つ者が希望をもてばその盾は光を生み出し、邪悪な闇を打ち消すといわれている。心の波長が乱れたものにはあれは使いこなせん。」
十文字「そんな盾がこの地に眠っていたとは…」
ギン(十文字の元上司)「魔物を封印する盾だ。この遺跡の宝物その1ってところか。シグレのばぁさんは知らないだろうがその2もあるぞ。」
十文字「…そ、それは…?」
ギン(十文字の元上司)「十文字、お前みたいな若造にはまだ早すぎる。」
ナレーション「あっさりと言い切ったギンの口元には意地悪な笑みがうかんでいた。」

効果音「ヴィン、ヴィン、ヴィン…」
透明猫・レス「なんか、まだいっているぞ…どういう意味だろう…」
雪猫・ケイン「どうやら地面の付近で強く反応するようだ…おそらくこの盾以外に何かが眠っているに違いない…レス、もう少しそいつを動かしてくれ。」
効果音「ヴィン、ヴィン、ヴィンヴィン、ヴィンヴィン…ヴィンヴィンヴィン」
ナレーション「レスが盾を地面にくっつけるように動かしていると音の出る間隔がだんだん短くなってきた。まるで盾が何かに引きつけられているようである。」

風船猫・タマ「二人とも!天馬を押さえつけてよ!」
ナレーション「ソレイユの出した結界に天馬を閉じ込めたのはいいが、決定的打撃は与えられない。結界もあと数分も持たないだろう。結界を食い破りながら凄まじい勢いでタマ達のほうを睨んでる。もはや時間の問題だ。」
ギン(十文字の元上司)「盾は飾りにすぎない。盾はその2を見つける鍵でしかないからな。」
ナレーション「何度倒しても不死身のように起き上がる天馬。ソレイユが気力を使い果たして結界が破れそうになったとき、盾は光を放ってある一点に向かって集中した。」
透明猫・レス「そうか。あそこになにかがある!!」
ナレーション「遺跡にただ一つ建てられた石造。目は水晶でできた馬の石造だった。約2キロメートル先、遺跡の頂上にそれは立っていた。」
雪猫・ケイン「でも反応したのは地面だ、あれじゃないだろう」
ソレイユ「頂点から…真下に位置する場所に宝が眠っていると聞いた事がある。3辺を…想像して直角に位置する場所…そこだ。」


ギン(十文字の元上司)「盾から出てる光と頂点、そして虹が底辺…そして高さ。あとは割れば答えが出てくる。」
十文字「それは一体なんの意味が…」
ギン(十文字の元上司)「ここの遺跡を建てた古代人とサンダー家は深いつながりがあったといえば判るか?十文字、お前はまだ若造だから教えてもらってないかもしれないがな。だがいまはそんな話はどうでもいい。」
効果音「バサッ(服を脱ぐギン)」
十文字「ええ??!!」
ナレーション「ギンは褌一枚の姿になると両手から野球バットとボールを出した。十文字が戸惑っていると、ギンがボールを手渡してくる。」
ギン(十文字の元上司)「あとはあの建物を完全に真っ二つに破壊すればこの戦いは終わるってことだ。まさかレスがあの盾を出してくるとは思わなかったが…」
十文字「そのまえに…脱ぐ必要は…(汗)」
ギン(十文字の元上司)「気合だ!気合!さっさとそのボールをこっちに投げて来い。わしの打った球であの建物を割ってやる!」
十文字「は…はい!」

雷猫・サンダー「なにするつもりだ?」
ナレーション「皆が天馬に集中してる頃、同じ場所で背後からこっちの様子を覗いながら怪しい行動をとってるギンと十文字を見ていたのはサンダーだ。しかもギンは褌姿。しかもなにかバットまで持っている。」
ギン(十文字の元上司)「うぉおおおおおおお!!!」
ナレーション「天馬が襲い掛かってくるのとギンの体から電気が走ってボールが飛んでいくのはほぼ同時だった。」


風船猫・タマ「え”っ??」
炎猫・フレイヤ「何ですか…あれは?」
雪猫・ケイン「とうとうボケちまったか…」
透明猫・レス「あんな趣味があったとは…露出狂だな、あれは」
雷猫・サンダー「お前らそういうところばかり見るかぁ!」
炎猫・フレイヤ「あ、あれは!!」
ナレーション「引き締まった肉体、割れた腹筋、逞しく鍛えられた大胸筋…ありのままをさらしたギンの体にソレイユは…」
ソレイユ「いい男だな…(頬を赤らめる)」
一同「ええええええー!!」
ナレーション「ソレイユの爆弾発言と共にボールは建物の中心部まで消えたかと思うと、凄まじい音で亀裂が入って崩れ始めた。」
効果音「バチッ!!バアアアーン!!ビリビリビリビリビリ!!」


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