第5章・第19話「闇の天馬」

ナレーション「恐ろしい姿となったソレイユのストーンのエネルギーは闇の天馬と化した。天馬とは言うが馬にしてみればかなりの痩せようで、肉食獣のような牙と足のつめを持っている。そして、翼はコウモリの羽根を大きくしたようなものだった。皆、その姿を見て凍り付いていた。」
天馬「グルルルルル…」
ナレーション「天馬の口から野犬のような唸り声が聞こえる。血に飢え、獲物に狙いを定めているかのようだ。」
風船猫・タマ「…ああ…」
ギン(十文字の元上司)「恐ろしい…なんて恐ろしい姿だ…この世の生き物でない!」
ナレーション「その時だった。後ろからタマたちを呼ぶ声がした。振り向くと風猫の長老とシグレがこちらに走って向かっていた。」

風船猫・タマ「シグレ婆さま!!」
透明猫・レス「長老!どうしてここが?」
シグレ(シャーマン)「話は後だ…悪い予感が当たってしまったか…」
天馬「キサマハダレダ?」
シグレ(シャーマン)「ソレイユ…なんてことだ…」
ナレーション「シグレがいることに気づいたソレイユはゆっくりと顔を上げた。そのソレイユの顔を見た一同はあっと息を呑んだ。ソレイユの目が青く光っていたのだ。」
一同「ああ!!」


天馬「キシャアアア…」
風船猫・タマ「ソ、ソレイユ…どうしたんだよ…ねぇ?」
ナレーション「タマはソレイユに必死に声をかけようとするが、ソレイユの反応はない。シグレは狼狽しながらソレイユの方を見ていた。」
シグレ(シャーマン)「無駄じゃ…今、シンボルストーンの力が上回ってしまったためにソレイユの精神はあの天馬に乗っ取られてしまった!」
風船猫・タマ「そ、そんな…!」
ナレーション「タマ達が動揺している傍で天馬は不気味な煙を吐きながら彼らに向かって吠えた。それはまるでオオカミのような声だった。」
効果音「ギン!!」
ナレーション「天馬が吠えたのと同時にソレイユの目が再び光った。そして、タマの方に向かって突進してきたのだ、タマと初めて会ったときに持っていた剣を持って。」
ソレイユ「うおおおおお!!」
風船猫・タマ「!!」


ナレーション「ソレイユはフェンシングに使うような剣を構えタマの喉元に向かって行った。タマは突然のことに固まって動くことが出来なかった。」
雷猫・サンダー「タマ、逃げろ!!」
炎猫・フレイヤ「タマさん!!」
ナレーション「タマは観念したように目を伏せたその時だった。突然タマの周囲が赤い光で包まれた。レスがシンボルストーンを発動して、赤い光の壁を作っていた。」
透明猫・レス「ビッグ・シールド!!でやあああああ!!」
効果音「グオオオーーーーン…ズズズズズーーーーーン!!」

ナレーション「周囲の山を遥かに越える赤い光の塔が遺跡の目の前に現れた。ソレイユはその光の中に入ろうとするが赤い光が彼女を跳ね返した。」
効果音「バリバリバリバリ!!」
ソレイユ「グッ!!」
ナレーション「レスはソレイユの顔を睨みつけていた。ソレイユは強力なバリアーの前に顔をゆがめた。離れた場所で見ていた天馬はソレイユを叱咤していた。」
天馬「ナニヲシテイル!ソンナバリアー、オマエノチカラデハネカエシテシマエ!」
ソレイユ「私はどうすれば…」

ナレーション「戸惑うソレイユの言葉に天馬はギラリと目を光らせた。不気味な赤い眼光を発した天馬の体から黒い闇があふれ出してきた。それがソレイユのもとに向かっていった。」
効果音「ズズズズズ…ズズズズズ…」
風船猫・タマ「??」


十文字「何ですか…あの黒い煙のようなものは…?」
ナレーション「十文字の言葉にシグレははっとした表情をした。黒い闇はソレイユの体を徐々に包んでいき、次第に彼女の体が見えなくなっていた。」
シグレ(シャーマン)「…いかん!!天馬の奴、ソレイユを自分の体に完全に取り込もうとしている!そうはさせるか!」
ギン(十文字の元上司)「何だって?!」
シグレ(シャーマン)「天馬の魔力は一筋縄ではいかない!私に力を!」
ギン(十文字の元上司)「分かりました…行くぞ、十文字!」
十文字「はい!!」
ナレーション「シグレ、ギン、十文字の3人は天馬の方を見据え、シンボルストーンを発動する体勢になった。そして同時に呪文を唱えた。」
一同「シンボルストーン・ライド・オン!!」

効果音「ゴオオオオーーーーーン…グオオオ…!!」
シグレ(シャーマン)「完成、竜の目の数珠!」
ギン(十文字の元上司)「木刀・雷神丸!」
十文字「真剣・鬼十字!!」


効果音「ザッ!!」
ナレーション「シンボルストーンをパーフェクト・トランスフォーム・ウェポンに変えた3人はそれぞれの武器を構え、天馬をにらみつけた。」
シグレ(シャーマン)「天馬よ!その子から離れるのだ!」
ナレーション「シグレは鋭い声で天馬を一喝したが、天馬は動じる様子はなかった。それどころか不敵な笑みを浮かべて彼らを嘲笑している。」
天馬「ククククク…ナニヲタクランデイルノカシラナイガ…オレニタテツコウタッテムダダ!」
シグレ(シャーマン)「それはどうかな…やってみないとわからんぞ…」
効果音「ヴォン、ヴォン、ヴォン、ヴォン…」
ナレーション「シグレは何かお経のようなものを唱えながら数珠をかき鳴らしていた。数珠の音は次第に大きくなり、シグレは大きく体を震わせていた。」
雷猫・サンダー「な、何だ…あのばあさん…何をするつもりだ?!」
雪猫・ケイン「黙ってみていろ…」

効果音「ジャンジャンジャンジャン…ジャジャジャジャ…」
ナレーション「数珠の音は一定のリズムになり、それ以外の音は何も聞こえなくなっていた。天馬はその音を聞いて直立不動の状態でたっていた。」
風船猫・タマ「ば、婆さま…??」
透明猫・レス「…?!」
効果音「ジャン、ジャン、ジャン、ジャン、ジャン…」
天馬「ナ、ナンダ?カ、カラダガ!!」
効果音「ズズズズズーーーーン!!」
ナレーション「天馬の足元から練成陣のようなものが現れた。それから発せられた光は天馬の足元を縛り付け、動けなくしていた。」
天馬「キ、キサマーーーッ!!グアアアッ!!」
効果音「バリバリバリ…バリバリバリ…!」
シグレ(シャーマン)「悪しき闇よ…今、お前を封印してやる!」


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