第5章・第18話「目に映るもの」

効果音「ピピピピピ…」
ナレーション「うつむいているシグレの背後からけたたましい鳴き声が聞こえた。振り返ると一羽の小鳥が激しく鳴いていたのだ。」
シグレ(シャーマン)「長老…この鳥はいかがいたしましたか?」
風猫の長老「ああ…3日前にタマが拾ってきまして」

効果音「ピリリリリリ…ピピピピ…」
ナレーション「シグレはその小鳥をじっと見つめていた。その様子を長老は怪訝そうに見つめていた。」
シグレ(シャーマン)「この鳥、何か私に伝えたいことがあるようじゃ…何か切羽詰った様子で…」
風猫の長老「どういうことですか?」
シグレ(シャーマン)「…長老、カメラはございませんか?」
風猫の長老「何をするおつもりで…?」
シグレ(シャーマン)「念写です…口を利けぬものに使うのは初めてですが、とにかくやってみます…ああ、カメラは壊れたもので構いませんから…」
ナレーション「それを聞いた長老は納得した様子で納屋の方に向かった。シグレには念写の能力がある。カメラを通して相手の考えていることを画像にして写し取ることが出来る。カメラはあくまで能力を媒介するものであるので、カメラは動いてなくてもシンボルストーンで力を増幅するので、カメラは壊れても大丈夫らしい。」

効果音「ガタン、ガタン…ボフン…ゴホンゴホン…」
ナレーション「長老は納屋から埃にまみれたカメラを持ってきた。そのカメラは相当古く、今はまったく使っていなかった。」
風猫の長老「カメラと言えばこんなのだけですが…これでよろしいでしょうか…」
シグレ(シャーマン)「おお、なかなかの代物ですな…ではちょっとお借りしますよ…」
ナレーション「シグレはカメラを手前に持ってきて目を閉じた。そして、呪文を唱えた。」
シグレ(シャーマン)「ムムムム…ハアッ!!」
効果音「バシャッ!」


風船猫・タマ「グググググ…」
ナレーション「タマはケインによって首根っこを押さえられていた。身じろぎひとつ取れない。タマは今までの修行のことが頭によぎった。」
風船猫・タマ「(僕は今まで何をやっていたんだろう…やっぱり3日でPTを会得するなんて無茶だったんだ…)」
ナレーション「身動きできないタマを見て、ソレイユは勝利を確信したのか余裕の様子だった。そして、ケインに向かってこうつぶやいた。」
ソレイユ「…親友に殺されるなら本望だろう…ケイン、やってしまえ…」
効果音「グオオオオオッ!!」
ナレーション「ケインの氷雪剣のシンボルストーンがうなりを上げた。タマはもはやここまでと目を閉じたその時だった。ケインの口から思わぬ言葉が飛び出した。」

雪猫・ケイン「お前の負けだ…『ソレイユ』!!」
風船猫・タマ「?!」
ソレイユ「…なにっ?!」
効果音「ズオオオオーーーーーン…バリバリバリバリ!!!」
ナレーション「ケインはソレイユに背を向けた状態で手から氷を出していた。それ尖った剣先のようにまっすぐ空を突き抜けようとしていた。」
雪猫・ケイン「パーフェクト・トランスフォーム・ホールド!エンドレス・タワーリング・インフェルノ!!」

効果音「ゴオオオオオーーーーン…」
ナレーション「氷の塔の切っ先が頭をたれた竜のようになった。そして、それはソレイユのところに向かおうとしていた。」
ソレイユ「うわああああああ!!」


効果音「ジジジジジジ…ジーーーッ」
ナレーション「年季もののポラロイドのカメラから一枚の写真が出てきた。シグレは黙ってそれをカメラから抜き取った。やがてその写真に何かが見えてきた。」
シグレ(シャーマン)「…ん?」
風猫の長老「こ、これは…?!」


ソレイユ「な、何故だ…お前は私が洗脳したはずなのに…何故…?!」
ナレーション「ソレイユはケインのエンドレス・タワーリング・インフェルノをぎりぎりのところでかわしていたが、息は絶え絶えだった。ケインは仁王立ちの状態でソレイユを睨みつけていた。」
雪猫・ケイン「俺の洗脳はこの時点ですでに解けていた…それに気づかなかったのがお前の敗因だ!」
風船猫・タマ「…?!」
雪猫・ケイン「お前はこの俺を自分の結界に誘い込み、そして、俺が捕まったことを仲間に知らせようとしたフレイヤまでも遠隔操作しようとした…だが、予想外の出来事が起こった。」
効果音「バタバタバタ…」
ナレーション「レス、サンダー、フレイヤ、そして、十文字とギンまでが遺跡に遅れて集まった。ケインたちの様子を見て彼らは呆気に取られていた。」
雪猫・ケイン「予想外の出来事…それはタマがWPを発動したことだ…そのWPの余波がその様子を見ていたお前にも影響していたことに気がつかなかった!!」
透明猫・レス「…!!」
ナレーション「タマのWPはレスたちだけでなく、遺跡にいたソレイユたちの方までにも及んでいた。タマがあまりにも大きなWPを発動したため、制御し切れなかったパワーが遠くまで伝わってくることになる。」
雪猫・ケイン「タマのパワーはお前の腕輪を壊そうとしたくらいだった。その時点で俺とフレイヤの洗脳は解けてしまっていた!タマのパワーはお前のそれよりも遥かに上まわっていた!!」

ソレイユ「だまれーーーーーっ!!!!!」
一同「…!!!」
効果音「グオン、グオン、グオン…」
ナレーション「ケインの言葉をさえぎるかのようにソレイユは絶叫し、首をがくりと垂れた。その時だった。彼女の腕輪から何か妙な音が聞こえていた。荒ぶるソレイユの感情に反応してるかのようだった。」
効果音「ズ、ズズ、ズズズ、ズズズズ…ズズズズズーーーン!!」
風船猫・タマ「あ…ああ…あれは!!」
雷猫・サンダー「て、天馬…??」 透明猫・レス「違う!似ているが別の何かだ!あれはソレイユの憎悪が作り出したシンボルストーンのエネルギーだ!!」
炎猫・フレイヤ「なんですって?!」
ナレーション「ソレイユのシンボルストーンのエネルギーは天馬、いや、それよりもずっと禍々しい何かの生き物がタマたちの目の前に立ちふさがった。それはどす黒い煙のようなものを吐き出し、彼らを威嚇していた。」
効果音「オオ、オオオ、オオオーーーーーッ!!」


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