第4章・第15話「異変と脅威の数値」

効果音「ゴゴゴゴゴゴーーーーーン!!」
風船猫・タマ「タマは両手を上に掲げ、シンボルストーンを発動した。まばゆい光が辺りに拡散している。」
ギン(十文字の元上司)「(目が眩む…まともに見たら目がつぶれそうだ)」
効果音「ガガガガガ…ガチャ!!」
ナレーション「測定器がシンボルストーンの光に反応している。ギンはどれくらいの数値なのか興味津々で覗いてみた。」
ギン(十文字の元上司)「どれ…SP…3900…?なに?!3900しかないのか??」
風船猫・タマ「えっ??」
ナレーション「『しかない』というギンの言葉にタマは激しく反応した。さっき、サンダーがSPは5000あれば高い方だと言っていた。それにも及ばない数字にタマはがっくり来た。」
風船猫・タマ「せっかくがんばったのに…」

十文字「…数値はあくまでも目安ですから…そんなに落ち込まなくても…」
ナレーション「十文字がタマをフォローしようとしたが、SPをタマの倍近く出している十文字に言われて非常に複雑な表情をした。そんなタマを見てレスはこう付け加えた。」
透明猫・レス「数字はあくまで目安に過ぎない。さっきも十文字さんが言っていただろう、SPが少なくてもWPでカバーしている人も居るって…。」
炎猫・フレイヤ「(小声でぶつぶつと呟く)…測定がそろそろ終わります…完全なデータが揃い次第データ送信します」
ナレーション「僅かに口元に笑みを浮かべたフレイヤの顔をその場にいた誰も見ることはなかった。」


ソレイユ「タマの実力はその程度か…WPも期待はできなさそうだな」
ナレーション「目の前の壁に映し出された映像を見て、ソレイユはため息をつく。ソレイユのいる場所は遺跡の中心部にある地下室だった。」
ソレイユ「偵察としてフレイヤも遠隔操作してみたが、あまり使えなかったな。そうだろう?ケイン…」
雪猫・ケイン「…ううぅ…(頭を抱えてうずくまる)」
ソレイユ「遠隔操作の方法を教えてやろうか?映像を送信している相手に逆に情報を引き出して心を支配する。まるで、ウィルスのように相手は一時的に支配されるがまま…マリオネットになるんだ。」
雪猫・ケイン「…ぐぁぁぁあああ!!(目を見開いて苦悶の表情でソレイユを見る)」
ソレイユ「支配されてる相手は一時的な記憶だけを忘れてウィルスに侵されてるとは気がつかない。」
ナレーション「映像を断ち切ったつもりでも繋がっていたノイズでソレイユは逆にフレイヤまで洗脳した。ただ距離が遠かったために完全な洗脳までには至らなかったようだ。」
ソレイユ「…お前は苦しいのか?お前には兄弟はいるか?親友はいるか?誰に助けて欲しい?」
効果音「ジャラララ…ジャリ(ケインの首に鎖が巻きつけられている)」
雪猫・ケイン「…」


十文字「では、次はWPを測ります。タマさん、いいですか?」
ナレーション「タマは少し嫌になった。高望みをしてのびる人間も居ればそれに苦しむ人間も居る。タマはレスが返した言葉を思い出した。自分は高みを望めば辛くなる。でも、それに卑屈になる必要はないと思った。」
風船猫・タマ「(僕は僕なんだ。僕はできるだけのことをやればいいんだ…)」
ギン(十文字の元上司)「おい!早く準備しろ!」
風船猫・タマ「はーい!!今行きまーす!」
効果音「ババババ…バビビビビビビ!!」
ナレーション「タマは『はじめ』の合図より先にPTを発動し始めた。突然のことにギンは慌てた。」
ギン(十文字の元上司)「おい、こら!まだ、はじめとは…いいっ?!」
効果音「バビョビョビョビョビョ…ゴゴゴゴゴーーーン…ズズズズズーーーン!!」
ナレーション「ギンの測定器は妙な音を立てて振動していた。ギンはボタンを押したが、まだ震えが止まらなかった。」
ギン(十文字の元上司)「おい!!こら!!!止まれえ!!!!」

効果音「ガギョンガギョンガギョンボワワワワワワワ…ヴィヴィヴィヴィヴィ…」
炎猫・フレイヤ「ぎゃああああああ!!」
ナレーション「ギンの測定器が爆音を上げたと同時にフレイヤが再び苦しみだした。予想外の出来事にタマは慌てふためいた。」


効果音「ホンワカホンワカ〜ホンワ〜ボンヨヨヨヨ〜ン」
ナレーション「一方、遺跡の方でタマの様子を見ていたソレイユの方にも異変が起きていた。遺跡の地下室ではコントに出てきそうな雑音に支配され、ソレイユは困惑していた。」
ソレイユ「な、何がおきたんだ?!と、とめろ!!この音を止めろーっ!!うわああああ!!」
ナレーション「傍で何かくすぶっている様な臭いがする。ソレイユが見ると自分の腕輪から煙が上がっていた。さらにバリバリと火花が散っている。」
効果音「バチバチバチバチ…ジジジジジ!!」
ナレーション「ソレイユは火花を消そうと慌てて腕輪を掴んだ。だが、火花は大きくなる一方だった。ソレイユに激痛が襲った。」

ソレイユ「チッ…(一旦、フレイヤとの交信を切る)」
ナレーション「ソレイユが放った光は弧を描いて映像を断ち切った。」
ソレイユ「…最悪な見世物だったな…」
雪猫・ケイン「ぅうう…うう…(地面に倒れている)」
ソレイユ「(ケインの首を掴んで)さぁ起きろ。これからお前の友達が迎えにくる…楽しみだろ?」
雪猫・ケイン「…(もがいてソレイユの腕を外そうとする)」
ソレイユ「さぁ…いこうか…」
ナレーション「ソレイユの腕輪の部分からはもう火花は散っていなかった。ソレイユはそのままゆっくりと目を閉じるとケインごと自分の体を瞬間移動させる。光に包まれた二人はその場から姿を消した。」


効果音「ヴォヴォヴォヴォヴォーン、ボンヨボンヨボンヨヨ〜ン」
ナレーション「寺の方ではまだ騒動は収まっていなかった。フレイヤは雑音に頭をやられたのか奇声を上げながら乱舞していた。」
炎猫・フレイヤ「ナハナハナハ!!ウヒャヒャヒャヒャ!!」
雷猫・サンダー「頭が割れる!!タマ、早く何とかしろ!!」
風船猫・タマ「そ、そんなこといったってぇ!!」

炎猫・フレイヤ「おサルのお尻は真っ赤か〜私の頭はパッパラパ〜♪」
透明猫・レス「フレイヤが壊れた…ファンが泣くぞ…」
ナレーション「あの雑音の中、レスだけが平然としていた。タマはフレイヤの奇行に戸惑い、サンダーは雑音にもだえ、ギンと十文字は測定器を必死に止めようとしていた。」
雷猫・サンダー「ファンの心配より、本人の心配をしろ!!」
炎猫・フレイヤ「ドカーンドカーンドカーン!私の頭のマグマ大爆発〜 」
風船猫・タマ「…いっそのことそのキャラで通したら?お笑いにスカウトされるかも…」
効果音「バスッ、ドカッ、ドコォッ!!(サンダーがタマを殴る音)」


雷猫・サンダー「もともとはお前のせいだろうが!!」
十文字「タマさん、PTを中止してください!」
風船猫・タマ「え、え、え???」
ギン(十文字の元上司)「早くしろ!PT測定器はわしのPTで作った機械じゃ、もともとはわしのシンボルストーンから出来ておる!シンボルストーンが壊れたらわしは死んでしまう!お前はわしを殺す気か!!」
風船猫・タマ「はっ、はい!!」
ナレーション「タマはギンの一喝でようやく平静を取り戻した。そして、手から出掛かっていたPTW・スピリッツ・バズーカーを手の中に徐々に引っ込めっていった。」
効果音「ギュギュギュギュギューーー…ン…」
一同「…(沈黙)」

炎猫・フレイヤ「バターーーン!!」
雷猫・サンダー「フレイヤ!」
ナレーション「PTを止めたとたん、フレイヤは電池が切れたようにぶっ倒れてしまった。ギンのPT測定器もようやく静かになった。」
ギン(十文字の元上司)「やれやれ…寿命が20年も縮まったわい…さて、WPはどうなっていることやら…」
ナレーション「ギンがうんざりした表情で測定器を覗き込んだ。そこには信じられない数値が叩き出されていた。」
ギン(十文字の元上司)「WP…20900…20900…なにぃ?20900?!」
ナレーション「ギンは3m先まで後ずさりをするほど驚いた。WP 20900…他の種族の猫型宇宙人の長ですらこの未曽有の数値には届いていなかった…。」


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