第4章・第14話「ウェポン・パワー(WP)」

効果音「カチャカチャカチャ…(タマがご飯を食べる音)」
雷猫・サンダー「(本当にこいつの胃袋どうなってんだよ…)」
ギン(十文字の元上司)「あ〜、ひと仕事したばかりで大変済まないのだが、やっておきたいことがある…」
風船猫・タマ「なに?ギンさん」
ギン(十文字の元上司)「PT値を測定したい…言ってみれば野球のピッチャーの球のスピードを測るのと同じ要領だ。あくまで目安なんだが。」
ナレーション「そういいながら、ギンは自分の腕から小型の測定器のようなものを出した。これがPT値を測るものらしい。」

十文字「まず、シンボルストーンのパワー(以下SP)を測ります。そして、PTを発動した際のパワー値のパーフェクト・トランスフォーム・ウェポン・パワー(以下・PTWP)ですね。数値が大きければ大きいほどパワー値が高いことになります。」
風船猫・タマ「ふーん、おもしろそうだね。」
十文字「ただし、ギンさんが仰るとおり、あくまで目安ですから。SPが強くてもPTを使えるとも限りませんし、たとえSPが小さくても、ウェポン・パワー(WP)が高い人もいます。パワー不足をテクニックでカバーするというか…。」
風船猫・タマ「難しいことよく分からないや…レス、分かる?」
透明猫・レス「(首を横に振る)タマに説明は無駄みたいだな」
風船猫・タマ「へ?」
ギン(十文字の元上司)「…やれやれ。説明するより実演しよう。十文字、わしの前に立て。」


効果音「カチャカチャ…」
ナレーション「ギンはPT測定器をあちこちいじっていた。ギンの前には十文字が神妙な顔をして立っている。タマは測定器を珍しそうに眺めていた。」
雷猫・サンダー「あの測定器もギンさんのPTで作ったものだ。他人のPTを測るのはとても難しいらしい。PTを測定する機械を持っている種族もいるが、大抵はPTを熟知したものがこうやって測ることが多いんだ…。」
透明猫・レス「ほう、PTを測定するにはテクニックが必要なわけだな。」
雷猫・サンダー「ああ、そんなことできるのは一種族に2人いるかいないか…雷猫一族もギンさんだけだ。」
透明猫・レス「で、目安とはいったいなんだ?」
雷猫・サンダー「俺もよく分からないが、シンボルストーンを体から出してコントロールするにはSPが500以上必要だと聞いたことがある…PTはいろんなケースがあるから一概には言えないな…」
風船猫・タマ「(なに言ってるのかさっぱりわかんない…)」

ナレーション「すでに興味を無くしたタマは台所にいこうと席を立つが、フレイヤが止める。」
炎猫・フレイヤ「どこにいくんですか?」
ナレーション「フレイヤが厳しい視線でタマを見る。回復したばかりの体で、今でも辛いはずだ。」
風船猫・タマ「…お水のみにいくだけだよ」
ナレーション「ケインが囚われた話をしてから、フレイヤのタマを見る目線が厳しい気がしたのはタマの気のせいだろうか。なんとなく気まずくなってしまう。」
効果音「バシャッ(顔に水をかける音)」
ナレーション「台所でタマは顔を洗う。水は冷たくて気持ちがいい、とタマは思いながらさっきの話題を思い出す。」
ギン(十文字の元上司)「お〜い!実践始めるぞ。早く戻って来い!!」
ナレーション「タオルを首にかけたまま、タマはギン達の元へ急いだ。」


十文字「まず、ギンさんが測定器のスイッチを押して、「はじめ」と合図した時にシンボルストーンを発動してください。それでは、シンボルストーンを出してみます。」
ギン(十文字の元上司)「はじめ!」
効果音「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴ…」
ナレーション「十文字の手から銀色の光が出てきた。手の中には鉛色の球体のシンボルストーンが出てきた。シンボルストーンは人間の指紋と同じで、誰ひとつ同じ形のものはない。」
ギン(十文字の元上司)「SP、7200…」
ナレーション「ギンは抑揚のない声で測定器の値を読み上げた。レスたちはこの値が高いのか低いのかさっぱり分からなかった。」
雷猫・サンダー「SPは5000行けばかなり高い方だ。うちの親父は8800、ついでギンさんが8200だ…。」
十文字「次はWPを測ります。これも「はじめ」と共にPTを発動してください。」
ギン(十文字の元上司)「はじめ!」
効果音「ズズズズズズ…ズズズズズ…ズズズズズ!!」

風船猫・タマ「ん?」
ナレーション「発動した瞬間。タマは違和感を感じていた。横にいたフレイヤの様子がおかしい。」
炎猫・フレイヤ「(口を動かしながらぶつぶつ小声で)ソレイユ様に伝えないと…データ、収集転送…」
風船猫・タマ「ねぇ、フレイヤ!!(フレイヤの肩を揺さぶる)」
炎猫・フレイヤ「…どうかしましたか?(我に返ったようにタマに気がつく)」
風船猫・タマ「さっきから変だよ?」
炎猫・フレイヤ「何がですか?」
ナレーション「ここに来てからフレイヤの様子がおかしいのにタマだけが気がついていた。しかも、フレイヤは自分のおかしい所に気がついてない。」
炎猫・フレイヤ「…たまに額が痛くなるんです。変な事といえばそれだけですよ。」
風船猫・タマ「ふーん。気のせいかな。」

ギン(十文字の元上司)「WP…14000…」
ナレーション「一般的にはWPはSPの約1〜2倍と言われている。ちなみにSPが5000を超えるものでも、WPを10000を越すのは容易ではない。WPを10000超えるものは各種族の猫型宇宙人の長、そして、ごく僅かなものに限られていた。」
十文字「以上です。では、次はタマさん…。」


風船猫・タマ「僕は後でいい」
ナレーション「すごすごとレスの後に隠れたタマにとって数値で実力を測られるなんて、あまりいい気がしない。確かに前よりは強くなった実感はあるがサンダーやレスに比べたら。きっと…」
透明猫・レス「タマ、自信を持て」
風船猫・タマ「レス…」
ナレーション「レスの背後に座っていたタマはレスの表情は見えない。だがレスは自分を奮い立たせてくれる。」
透明猫・レス「僕は僕しかいないから…わしに言った言葉を忘れたのか?」
風船猫・タマ「…」
ナレーション「他人に言った一言が自分にとって言えなかったり、忘れてしまったりする。レスはあの日、タマに貰った一言を今タマに返した。他者と比較してしまうのはどうにもならない。だから忘れてしまう言葉。「自分は自分だ」という事。」
風船猫・タマ「うん。わかったよ。」

ナレーション「測定する者から1メートル半離れた距離を保ち、背筋をピンと伸ばしてリラックスする。そこから測定が開始される。」
ギン(十文字の元上司)「ギャラリーは2・5メートル離れるように。細かい決まりはないが、暴走した場合に逃げれる距離を保っておかないと危険だからな。」
ナレーション「ギンは前かがみに測定器を構えた。タマはギンをじっと見据えていた。」
ギン(十文字の元上司)「はじめ!!」
風船猫・タマ「シンボルストーン、ライド・オン!!」


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