第2章・第8話「石段の歌」

効果音「ポーン、ポーン、ダンダンダン…」
ナレーション「3人は昨晩に引き続き、蹴鞠をやっていた。空腹を紛らわそうと必死に修行に集中しようとするが、体に力が入らない。」
風船猫・タマ「ああ…タイヤキ、食べたかったなあ…」
透明猫・レス「一食抜いたぐらいで死にはせん!そこいったぞ!」
雷猫・サンダー「朝食は1日の基本なんだぞ…ああ、最上階がますます遠く感じる…」
ナレーション「サンダーがふと遥か上を見上げるとミヨが手毬をついている。タマも気になったらしく上を見上げた。」


雷猫・サンダー「らい らい らい 雷猫様の石だんは だん だん 数えて いくつある らい 雷 数えて 上目指せ 」
ナレーション「サンダーが口ずさんだ歌を聴いてタマが怪訝な顔をする。疲れすぎておかしくなったのかと思ったがミヨの歌が聴こえるらしい。」
透明猫・レス「段の数ほど 強くなろう 蹴りましょう…か。わしにも聴こえてきた。」
風船猫・タマ「僕には聴こえないのに、どうして2人とも…」
効果音「ポーン、ポーン…コロコロ…」
ナレーション「タマが蹴るのをやめてミヨのほうに精神を集中してみる、が何も聴こえなかった。そしてミヨの姿は霧に隠される。」
十文字「皆さん、休憩しましょう(ミヨの代りに霧の中から現れた)」

ナレーション「軽いおやつを済ませた後でタマは思い切って十文字にミヨのことを聞いてみることにした。」
風船猫・タマ「ミヨさんはどうして声がでないの?ギンさんは姪っていってたのも嘘…だよね?」
十文字「それはミヨさん本人の心の声に尋ねてください。」
ナレーション「このとき、タマは疎外感のようなものを感じていた。他のみんなはミヨの考えていることが分かるのになぜ、自分だけが…そんな焦りがあった。」
風船猫・タマ「何が違うんだろう…」


ナレーション「タマが考え事をしている頃、ケインはサンダーの家に来ていた。呼び鈴を押すと、サンダーの母・ピカリが現れた。」
ピカリ(サンダーの母)「はい…あら、ケイン君、どうしたの?」
雪猫・ケイン「おばさん、サンダーはいますか。」
ピカリ(サンダーの母)「今は山に合宿にいくとかで暫くは帰ってこないわ。何か用だったの?」
雪猫・ケイン「(考え込んで)いえ…いいです。また今度きます。お邪魔しました。」
ナレーション「ケインは雷猫の寺に遅れて合流することになっていた。両親には本当のことは話していないらしい。ケインは足早に寺に向かった。」

効果音「ヴォンヴォンヴォン…」
ナレーション「ケインはシンボルストーンを取り出し、そこから映像を映し出した。フレイヤだった。シンボルストーンを使えるもの同士はこうやって遠くの相手とやり取りすることが出来る。」
炎猫・フレイヤ「ケインさん、私です。」
雪猫・ケイン「夕べ遅くまで調べるのに時間がかかっちまったが、なんとか肝心の情報はつかむことは出来た。今、あっちに向かう。」

ナレーション「フレイヤの画像が乱れるとぷつりと映像が消えた。なにか障害があるらしい。敵が自分の身に近づくとそれが障害になって交信できなくなる。ケインはそれを感じ取り上空を見上げた。」
効果音「ヴィィィンヴィィィン(何かの回転音)」
雪猫・ケイン「?どこから…(周囲を見回す)」


ナレーション「ケインが足元の目をやると大きな結界がケインの周囲に広がっている。そのせいでケインはその場から呪縛されて身動きすらとれない。」
ソレイユ「この音に気がつくとは流石だな。雪猫。」
ナレーション「覆面の女。それはソレイユだった。ケインがここにくるのを想定して広範囲で結界を張って待ち伏せしていたようだ。ケインはソレイユを睨んで身構える。」
ソレイユ「いいことを教えてやる。結界に獲物が入るとこの音が聞こえるんだ。音に気がつかずに結界の外に出ようとして「結界の境目」に落ちる馬鹿もたまにいるけどな。」
雪猫・ケイン「それぐらい知ってる。(結界の中に入っていくソレイユに警戒する)」
ソレイユ「契約者は結界を自由に出入りできるがお前は所詮獲物だ。」
ナレーション「覆面から見える目にケインの姿が映っている。その表情は警戒した顔から明らかにケイン本人が見せないような残忍な表情へと変化していく。」
雪猫・ケイン「(洗脳する気か?!)やめろっ!」

効果音「ブーッ、ブーッ、ブーッ…」
炎猫・フレイヤ「ケインさん?!どうしたんですか?ケインさん!!」

風船猫・タマ「…?!」
透明猫・レス「どうした?タマ。」
風船猫・タマ「何かに呼ばれた気がしたんだ」
ナレーション「はっきりとはわからない声。かといってそれはミヨではない。」
風船猫・タマ「そういえば、ケインとフレイヤ…今頃どうしてるかなぁ…」
十文字「今日は嵐になるそうです。嵐の間は、寺の中で修行をしましょう。」
透明猫・レス「(ぼんやりとしてるタマをひっぱる)いこうか」
ナレーション「目の前を歩くサンダーやレス、そしてタマはこの時点ではなにも知らなかった。不吉の前兆のような嵐はまもなく訪れてきた。」


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