第1章・第4話「試験開始!」

炎猫・フレイヤ「今日はお葬式ですか。村の誰かがなくなったんですか?」
ナレーション「次の日。なにやらあわただしく葬儀の準備をしてる村人達をフレイヤとサンダーは遠くから見ている。いつもならそんなに気にかけない風景だったがいつもと違うのはタマやレスも葬儀に出ていたからだ。」
風船猫・タマ「(黙ったまま遺族に頭を下げる)」
透明猫・レス「タマ…いくぞ(その場から動かないタマの腕を掴む)」

ナレーション「部屋の奥から、遺族のすすり泣く声がした。罪悪感のせいかまともに顔が見れない。ソレイユが殺した相手は村の青年だった。若者は帰り道にソレイユに襲われて殺された…しかも無力ななんの力もない彼は抵抗する間もなく切られたのだろう。」
ヒメッポ(フウの養女)「おにいちゃん!」
ナレーション「葬儀の手伝いに来ていたヒメッポはタマ達の姿を見ると急いで駆け寄ってきた。」
フウ(長老の親戚)「(二人の姿をみて頭を下げる)」
風船猫・タマ「ヒメッポ…」


ナレーション「タマたちはサンダーの家の前にいた。門の前では十文字が待っていた。」
雷猫・サンダー「俺の親父が若いころ修行していた寺がある。親父はそこでパーフェクトトランスフォームを会得した。」
ナレーション「サンダーが説明しているそばで見覚えのない初老の男が立っていた。十文字が年を食ってもっと厳つくした感じの男だった。」
雷猫・サンダー「この人は親父が若いときにお付をしていたギンさんだ。十文字が新人のときの元上司だ。」

ナレーション「ギンはタマたちのことを怪訝そうに眺めていた。彼の眼光があまりにも鋭いのでタマは思わず目をそらし、十文字に話しかけた。」
風船猫・タマ「十文字さん…PTの修行ってどれくらいかかったの?」
十文字「はい、サンダー坊ちゃまのお父様、旦那様は3ケ月かかりました。ともに修行をしていた私も習得しなければならなかったのですが私は1年かかりました。」
一同「い、1年??」
ナレーション「私の親方、ギンさんは半年かかっています。PTを習得するのは並大抵のことではありません。血反吐をはく想像を絶する修行でした。」


風船猫・タマ「(あと3日しかないんだ!これ以上無駄な血を見たくない!!)お願いします!」
ナレーション「そらした目を再び鋭いギンに向けてタマは大声で頭を下げる。ギンはそんなタマの姿を見て、少しだけ目を見開いた。」
風船猫・タマ「僕は強くなりたい。僕と、僕の大切な人達を守るために…ソレイユの勝手なんかさせないっ…!」
ナレーション「次の犠牲者はヒメッポかもしれない、フウかもしれない。そんな予感がタマの中で渦巻いていた。どんなに時間がなくても時間の許される限り、強くなりたい。」

ギン(十文字の元上司)「PTは、他人と比較して習得するものではない。それゆえに個人の私欲で間違った使い方をしそうな奴には教えんつもりだった。」
雷猫・サンダー「(小声でタマとレスに忠告する)ギンさんは耳が悪いから大声で話し掛けてくれ。」
風船猫・タマ「お願いです!!僕にPTを教えてください!!1年も待てません!3日しかないんです!!」
ギン(十文字の元上司)「お前、正気か!!」
ナレーション「『3日』と言う言葉にギンは目が飛び出るほど驚愕した。自らですら半年かかったものが、3日というわずかな期間でPTを習得するとはとんでもないことだった。」
ギン(十文字の元上司)「十文字の言葉を聞いていなかったのか?生半可な気持ちでは生命を落としてしまうのかもしれないのだぞ!?お前にその覚悟があるのか??」


風船猫・タマ「…無駄に死なない。無駄に死んだら、僕を助けてくれたネミミ先生の命も無駄になる。だから僕は生きて強くなりたい!!」
ナレーション「ギンが悩んだ末に首を縦にすると、上着を脱ぎ捨ててパァンと両手を合わせる。皆が見守る中でギンの手の平から光り輝く武器が出てきた。」
透明猫・レス「…!その武器は!」
効果音「ジャラララ…(数珠が擦りあう音)」


ナレーション「数珠が絡み合った木刀が出てくる。木刀は龍の彫り物がほどこされた立派なものだったが見た目には戦いに向いてるとは思えない代物だった。木刀で空を切ると、ヒュンと音が鳴る。ギンは何度か振り回すと木刀の先端をタマの顔に向けた。」
ギン(十文字の元上司)「PTを見た目で判断すれば命取りだ。人も、ものも。目に見えるものがすべてだと思わないほうがいい。」
風船猫・タマ「どういう意味?(息を呑んで剣をよける)」
ナレーション「いつものように戦えば木刀ぐらいタマの力で粉砕できる。それなのにタマにはこの木刀の威力が未知数な気がした。本気で戦ってない、それだけがよくわかった。」
効果音「ヒュン、ヒュン(木刀が空を切る音)」
ギン(十文字の元上司)「この数珠に写っている自分の姿を見ろ。罪悪感に満ちた今のお前の顔が写っているのが見えるか!今のお前では誰も倒せない…罪悪感を完全に捨て去る自信はあるか!だったら本気でかかって来い!」
風船猫・タマ「(黒く光った数珠にいくつもの自分の顔が写っているのを見つめる)手加減はしないよ!」

十文字「あのギンさんが本気になるのは私が修行していたとき以来です…ギンさんは旦那様に次ぐPTの能力の持ち主です!今のタマさんの実力では、生命を落としてしまいます!」
透明猫・レス「なんだって?!」
ギン(十文字の元上司)「わしに一撃もダメージを与えること出来ぬなら、これからの修行に耐えることは出来ん!」
効果音「ヴォン、ヴォン、ヴォン…」
ナレーション「タマは両手を上に掲げ、シンボルストーンを発動した。そして、絶叫しながらギンの元に全力疾走した。」
風船猫・タマ「だあああーーーーーーっ!!!」


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