第2章・第6話「心優しき幼馴染」


ナレーション「典子、いや、テンコは人志と対峙していた。自分を狙ったあの天使がなぜ時分のクラスに編入してきたのか分かる筈もなかった。」
テンコ「あなたを試すようなことをして悪かったわ…天界王様に頼まれていたの。」
間 人志「天界王様?いったい何を?」
テンコ「あなたが転生人間(リボーン)であること、戦士の力を授かってまだ間もないから、天界王さまがあなたをサポートして欲しいって頼まれたの。」
間 人志「ああ…そ、そういうことか…君を疑って悪かったよ」
テンコ「素直なのね、間くんって」
間 人志「…え?と、ところで…エルとルビの事言っていたけど、見えるのか?2人が」
ナレーション「人志は前から気になっていた質問をテンコにぶつけた。その様子を2人は神妙な面持ちで聞いていた。」
テンコ「ええ、2人の話は天界と地獄では有名よ。あのときの落雷によっていろんな影響があったから…まさか、あなたが生まれたことは予想もしてなかったようだけと、天界王さまと閻魔大王さまは」
間 人志「は、はははははは…」
ナレーション「どう答えていいのか分からず人志はから笑いした。テンコの説明にエルとルビは冷や汗をかいていた。」

悪魔・ルビ「おい、ひとし、なに打ち解けてんだよ…」
天使・エル「え、ええ、他にも聞くことがあるでしょう…」
ナレーション「2人は話題を変えようと人志に遠まわしに呼びかけた。それを見てテンコは表情も変えずに2人に話しかけた。」
テンコ「別にやましいことをしたわけじゃないから、こそこそしなくてもいいでしょう。間くん、あなた達が見えること他の人に言ってないようだし…」
間 人志「そりゃそうだけど…」
テンコ「一人で抱え込んで黙っているよりも、知っている人が居れば楽でしょう?」


ナレーション「エルはなんとなくテンコに対して苦手意識を感じていた。この前から感じていたもどかしい感情はそれだったのだろうか。自分はどちらかというと口数が多いが、テンコの前では黙りこくっていた。」
テンコ「ところで間くん、Haloって知ってる?」
間 人志「なに?藪から棒に」
テンコ「こないだ、近所のCD店で会ったでしょ…髪の毛がピンク色の人…」
間 人志「あ、ああ、それがどうしたの…?」
テンコ「ボーカルの小原昇矢は私の先輩の天使よ。」
間 人志「ああ、そう…え、ええええええ〜〜〜っ!!」
エルとルビ「反応するのが遅い!」
ナレーション「エルとルビが同時に人志に突っ込むのを見て、テンコは声を押し殺して笑っていた。何がなんだか分からない人志たちはただポカーンと彼女を見ていた。」
テンコ「ああ…おかしい、あなたたちって見ても飽きないわねえ…」
悪魔・ルビ「(…俺、何かコイツ苦手…)」
天使・エル「(やはりそう思いますか)」
テンコ「何か言った?」
エルとルビ「なんでもありません!」


テンコ「地上で活動する天使は世界中にたくさん散らばっているわ。普段は普通の人間と変わらない生活をしているから、気づかれないのよ。」
間 人志「活動…天使って何をするの?」
テンコ「いろいろよ。あげればきりがないけど、まあ、天界王様の指令が各々の天使に届いて、私たち部下はそれを忠実に遂行すると言えばいいかしら。」
間 人志「ずいぶん、抽象的なんだけど…。」
テンコ「天使の活動は他の人間に知られてはいけないのよ。これでも噛み砕いて話しているのよ。」
ナレーション「納得したようなしないような表情で人志はテンコの話を聞いていた。人志は気になっていたことをテンコに切り出した。」
間 人志「で、君は何故、この転生人間である俺のサポートをするように言われたの?」
テンコ「…そうね、それは話しておいたほうがいいかもね…。」
一同「…?!」
テンコ「知っていると思うけど、一週間後、この近くの円形劇場で「Halo」のコンサートがあるの…そこの場所に爆弾予告の手紙を送った奴がいるらしいの。」

間 人志「ば、爆弾??」
ナレーション「人志は思わず大声を上げた。そこに居たエルたちは慌てて人志の口を押さえ、テンコは口に指を当て「シーッ」の仕草をした。」
テンコ「まだ、はっきりしたことは分からないけど、「コンサートを中止しなければコンサートを終わる時間に爆破する」と書いてあったらしいわ…。」
間 人志「そ、そんなら、コンサートを中止した方がいい…もし、他のお客さんに危害が及んだら…。」
テンコ「…出来ないわ」
間 人志「何故?」
ナレーション「人志の言葉にテンコは戸惑いの表情を見せた。そして、天を仰いだ。」

テンコ「…天使は特定の事件に介入してはいけないことになっているの…もちろん、それを阻止するように進言することも禁止されているの…」
間 人志「でも!!」
テンコ「…それにコンサートを中止するわけには行かないのよ…ある女の子と約束した大事な日なのよ…」
間 人志「…?!」
ナレーション「テンコは辛そうにつぶやいた。人志はその言葉の意味が気になったのでテンコに詳しく聞こうとしたが、テンコは待ってと言うように手を前に出した。」
テンコ「…これ以上、私の口からは言えない…あなたもいずれ分かるわ…」
間 人志「おい!!」
ナレーション「気が付くとテンコは目の前からいなくなっていた。いつの間にか周りに生徒が何人かいた。他のものに感づかれてはいけないと思ったのだろう。」
悪魔・ルビ「なんだ…あいつは」
間 人志「…」


ナレーション「下校時間、人志はテンコの言葉を思い出しながら歩いていた。昼休みからずっと黙りこくっている人志を見て、エルたちは心配そうな表情をしていた。」
悪魔・ルビ「ひとし、あいつの言うことを信じるのか…おい?」
間 人志「…」
天使・エル「ひとしさん…」
ナレーション「人志は30分間、ずっと黙って歩いていた。ようやく自宅が見えてきた時、自宅の前に誰かが立っているのに人志が気が付いた。」
天使・エル「誰でしょう…あれ」
ナレーション「エルに返事するのも面倒だと思っていた人志は黙ったまま顔を上げた。人志に気づいたその人物は人志に向かって声をかけたのだ。」

あずみ「おにいちゃん!」
間 人志「あ、あずみ!」
天使・エル「え?」
悪魔・ルビ「お、おにいちゃん??」
ナレーション「あずみと呼ばれた少女は人志を見てにっこりと微笑んでいた。突然のことにエルたちは訳が分からなかった。無論、驚いているエル達の姿がこの少女に見えるはずがなかった。」


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