終章「So Far away...」

ソレイユ「私の罪は私自身で決めてもいいですか?皆さんが許してくれても他の人にとって許せないことをしたかもしれません。青年に襲われたからといって正当防衛で死似至らしめたんです。・・罪の償いはさせてください。」
ナレーション「顔をあげて、ソレイユは涙を拭きながら提案した。長老は黙ってソレイユの言葉に頷く。」
風船猫・タマ「罪の償いって!」
ソレイユ「…お前のおかげで笑えるようになったんだ。私は罪を償いたい。」
ナレーション「そういってソレイユは空に向かって手を広げた。顔をあげて大きく息を吸い込むと、ソレイユは叫んだ。」
ソレイユ「シンボルストーン、我の元に集え!我の清浄化された魂の欠片を再び我に呼び戻せ!」
効果音「バサバサッ…ザザシャアッ」

透明猫・レス「鳩が…」
ナレーション「さっき空に散った鳩たちがソレイユの元に集まって一つの塊になる。そして巨大な白い鳩に変形した。」
ソレイユ「私はこれに乗ってこの地から一年、離れます。「追放」という形にしてください。」
風船猫・タマ「ソレイユ…どうして」
透明猫・レス「タマ、ソレイユがそうしたいなら止めるな。」
ギン(十文字の元上司)「しばらくあの騒動は誰も忘れないだろう。混乱を招いたあとですぐに戻ればみんなに迷惑がかかる、そう判断したんだな。」
十文字「私たちはいつでも待ってます」
炎猫・フレイヤ「最初はどうなるかと思いましたが、タマの友達はみんなの友達です。それだけは忘れないで下さい。」
雷猫・サンダー「お前のおかげで強くなれたしなぁ…」
雪猫・ケイン「気になってたんだが、最後に質問していいか…ソレイユ。」
ナレーション「その時まで黙っていたケインが口を開く。怪訝に思って皆がケインを見るとケインは真剣な顔でソレイユを見ていた。」


ソレイユ「なんだ?」
雪猫・ケイン「シェイン…弟の首飾りを、お前がつけているのが気になってたんだ。」
雷猫・サンダー「弟?!お前弟がいたのか?」
風船猫・タマ「(小声で)サンダー知らなかったの?」
ソレイユ「これは。私が雪山で修行をしてる際に拾ったものだ。大切なものなら返すぞ。」
ナレーション「レインボークォーツ…虹色に輝く水晶のネックレスがソレイユの首に輝いていた。普段は服に隠されていたが、監禁された時にソレイユの首元から見えていたのをケインは知っていた。」
雪猫・ケイン「ありがとうよ…」
ナレーション「ケインはぶっきらぼうにお礼を述べ、首飾りをじっと見つめていた。他のものはどういっていいのか分からなかった。」
ソレイユ「私も何といっていいか分からないが…いつか会えることを祈っているぞ…」
雪猫・ケイン「さぁな…」

雷猫・サンダー「(小声で)訳ありか?」
風船猫・タマ「(小声で)だってケインから話してくれないから聞けないよ」
ナレーション「ソレイユの手から受け取った首飾りを手に巻きつけたケイン。それ以降誰も彼の弟の話には触れなかった。いや、今は触れてはならないのかもしれない。誰しもがそう思った。」
ソレイユ「皆さん、ありがとうございました…胸を張って皆さんの前に顔を出せる日を楽しみにしています…」
シグレ(シャーマン)「ソレイユ、くれぐれも体は大事にな…」
風猫の長老「息災にな…」
風船猫・タマ「ソレイユ、今の君も立派だよ…僕も会える日を待っている…」
ソレイユ「…また会える…私には帰る場所があるんだ…もう1人じゃない」
十文字「(タマさんとソレイユさんを包んだ光。あれからソレイユさんの怪我が治った。あの光は一体なんだったんだ)」
ギン(十文字の元上司)「十文字、どうかしたのか?お前も気になるか?アレが。」
十文字「WP数値…タマさんが願えば癒しの力になるのかもしれません」
ギン(十文字の元上司)「力も才能も使う本人次第でいくらでも道は開けるものだ。さーぁ、わしは帰って家にあるうりの漬物でも食べようか。行くぞ十文字。」
十文字「その前に服を着てくださいよ…」
ソレイユ「さようなら…みんな」
ナレーション「ソレイユを背に乗せた鳩が地上を離れていく。軽く地面を蹴って、鳥は空高く羽ばたくとそのまま雲に吸い込まれるように消えた。」


風船猫・タマ「いっちゃったね」
ナレーション「みんなが空を見上げていた。引き合って別れていく運命だけどなにかのつながりを持って生まれてくる。タマの眼差しはいつまでもソレイユの姿を追っているようだった。」
透明猫・レス「一年なんてあっという間だ」
誰のセリフ「毅然とした声でレスが声をかけてくる。レスを見ると何故かネミミを見たような気がしてタマが眩しげにレスを振り返った。」
風船猫・タマ「ねぇレス…デジャ・ヴュの意味ってなんだろう?」
透明猫・レス「見たことないのに、見たことであるみたいなのがデジャ・ヴュだったか。その反対は…」
雪猫・ケイン「よく見てるのにはじめて見るようなのが未視感「ジャメ・ヴュ」」
風船猫・タマ「そっか…ありがとう。」
雷猫・サンダー「?」
ナレーション「タマはソレイユとレスにデジャ・ヴュを感じていた。だけど、これから時間がたてば変わっていく関係になるかもしれない。後を振り返ってばかりではいられないんだ、と。かけがえのない友達、そして自分。なにもかもが未知だ。」
透明猫・レス「わし達も帰るか」
ナレーション「当たり前に、それでも確かにいる存在に向かってタマは答える。」
風船猫・タマ「うん!」
ナレーション「タマは元気よく返事をした。駆けていくタマの後をレス達が続く。その背中をギンたちは見ている。」

シグレ(シャーマン)「未来ある若者達を見届けるのは我々の役目…」
風猫の長老「平坦な道ばかりではない、山もあり谷もあるじゃろう…だが、決して超えられないものはないとわし達は信じておる…」
ギン(十文字の元上司)「この世に必要ないものなどないんだ…すれ違っているだけで気がつかないだけ…我々がめぐり合えたことも何かの縁です。どうです、お二人とも、私の家に来ませんか?パーっと飲みましょう!」
十文字「えっ?飲むんですか?!」
ナレーション「十文字はギンの顔を見てギョッとなる。ギンは彼に目配せして2人を連れて行く。十文字は慌てて駆け出した。自分はギンさんのようになれるのはまだ先だろう、それでも、未来ある者のために何か力になれる人になりたい、そう強く思っていた。〜終わり〜」


「追跡者」いかがだったでしょうか。これはある方の提案によって実現したものです。(本人のご希望で名前は伏せてあります)
前回の「カギサギ編」を読んでくださったその方が私に「ネミミの娘(ソレイユ)を出した話が書けないか」と話を持ち出して来ました。
これを聞いた時、私は最初は驚きました。 この時「天地の戦士」も一緒に書いているので、躊躇したのですが、「私も書きますから」と彼女が言ったので、「わかりました」と「追跡者」用のWEBドラマを設置いたしました。
よってこの「追跡者」は私と彼女の合作作品となります。執筆の面でも彼女にかなり助けられました。
タマたちのシーンもかなり文章にしてくださったので、予想以上にキャラクターが動いてくれたことに驚いています。
執筆をすべて彼女に任せたいと一瞬思ったくらいです。(流石にそれは無理でしたが…汗)

タマとは正反対の性格で自分の父のことでタマを恨んでいるというソレイユの設定にうんうんうなりながら書いていました(汗)前回よりも面白く感じたなら、それは彼女のお陰です。
お陰で前回と比べて内容が濃いものとなりました。本当にありがとうございました。

次回は「十文字奮戦記」です。サンダー坊ちゃんのお付の十文字の若いころのお話です。
それではまたあいましょう。

おまけ「次回予告」

十文字「今日、雷組に入ることになりました、無双と申します!」
ナレーション「雷組に一人の青年が入ってきた。その男は無双…今の十文字である。」
ゴロ(サンダーの父)「無双よ、この世に二人といない、男となれ…」
ナレーション「十文字と言われる所以となった十字の傷の秘密とは一体何か?それはサンダーの誘拐事件にさかのぼる!」
ゴロ(サンダーの父)「あいつ!なんて無茶を!!」
猫A「フフフフ…目の傷の借り、返してもらうぞ…」
十文字「ぎゃあああああ!!」
ナレーション「十文字…無双の前に立ちはだかる男の正体は?そして彼の運命はいかに!次回、風船猫、『十文字奮戦記〜無双編〜』!」
十文字「ぼっちゃーーーーん!!」


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