第3章・第11話「痛みを力に変えろ」

効果音「ゴオオオオ…!」
一同「わああああ!!」
ナレーション「神崎の突然の出現に観客は混乱に陥っていた。パニックになるもの、泣き叫ぶもの、動けなくなるもの…まさに地獄だった。」
男A「たすけてくれーっ!!」
女A「きゃあああああ!!」
天野翔(Haloマネージャ)「皆さん、落ち着いてください!非常口はこちらです!」
悪魔・ルビ「ひ、ひとし…」
間 人志「神崎…お前、まさか…」
ナレーション「人志が変身用腕時計の竜頭を押し、変身の構えをしようとした時、典子が手を前に出した。」


天野典子「待って!間くん…!」
間 人志「?!」
天野典子「彼は操られているわ…あの目、人間の目の色じゃない!」
ナレーション「人志は食い入るように神崎の目を見た。神崎は瞬きもせず観客の方を見据えていた。瞳孔も開いたままでまるで充血したように赤かった。」
間 人志「あの目、どこかで見たことがある…ああっ!」
ナレーション「人志の脳裏にネオ・A・Dの顔が浮かんだ。以前、ネオによって操られていた女性も同じように赤い目をしていた。」
間 人志「この前の爆破予告も…神崎がやったのか?」
天野典子「分からない…とにかく観客の人たちを安全な場所に!」
ナレーション「人志はあずみを探した。だが、ついさっきまでそばにいたあずみがいない。あずみが座っていた席はもぬけの殻だった。」
間 人志「あずみ?!どこだ!!」

ナレーション「観客はほとんどが外に避難していて、周りには人はほとんどいなかった。残っているのは客席だけである。その時、ステージ側から轟音が響いた。」
効果音「ズドオーーーーーーーン!!!」
一同「!!」
ナレーション「あたりが砂埃で真っ白になった。かすかに向こうの景色が見える。人志らはその中で人影をとらえた…」
神崎 隆一(クラスメート)「動くと…こいつの生命はないぜ…!」
あずみ「お、お兄ちゃん…」
間 人志「あずみ!!」


ナレーション「神崎に首根っこを押さえられるようにあずみは捕らえられていた。神崎は目の前でライターの火をつけるしぐさをした。」
間 人志「なんのまねだ…?!」
神崎 隆一(クラスメート)「少しでも動いてみろ!この女もろとも自爆してやる!」
間 人志「やめろ!あずみはお前とは無関係だ!」
神崎 隆一(クラスメート)「お前に何が分かる!厳格な親父の前では好きな歌手の話もできやしなかった…俺だって他のみんなと他愛も無い雑談をして笑いたかった…」
天野典子「…神崎くん…」
神崎 隆一(クラスメート)「本当は成績なんてどうでも良かったんだ…勉強できたって人望がなければただの嫌味な奴でしかないんだよ…」
間 人志「…」
神崎 隆一(クラスメート)「間、お前が羨ましかったよ…困っている時は力になってくれる友達がいて…そんなお前が羨ましかった、だから、お前にひどいことを言ってしまった…」
ナレーション「神崎は嗚咽をあげていた。あずみの押さえつけている腕が、彼の足元が震えていた。」

間 人志「そんな理由で無関係の人たちを巻き込もうとしたのか…冗談じゃねえ…甘えんじゃねえよ!!」
ナレーション「突然の人志の激昂に周りのものがいっせいに振り向いた。人志はステージをまっすぐに見据え、諭すように話しかけた。」
間 人志「五体満足のくせして親父が厳しいからぐれた?お前が人質にしているその子は…あずみは足が悪いんだよ…」
神崎 隆一(クラスメート)「なんだって…?」
間 人志「みんなと一緒に走れないんだよ…子供のときは鬼ごっこやりたくてもできなった…」
あずみ「お兄ちゃん…」
間 人志「両親は何とかあずみの足が良くならないかと奔走している…あずみは自分が足が悪いから負担になっていないかって、いつも悩んでる…そんな気持ちが分かるか?」
天野典子「間くん…!」
間 人志「…両親にどれだけ気兼ねしているか、お前に分かるもんか!親の前で思い切りわがまま言って甘えられる奴ばかりでないんだ…ふざけるなよ、お前の足をへし折ってあずみにくれてやりたいぜ!!」
あずみ「お兄ちゃん、やめて!」
神崎 隆一(クラスメート)「うわーーーーっ!!!」
一同「!!」
効果音「ゴオオオオオーーーーッ!!」
ナレーション「神崎の背後から紅の炎の柱が出現した。そして、その中からかすんだ黒い影が現れた。」
間 人志「こ、この炎!…ネオ!」
ネオ・A・D「フハハハハ…!」
一同「!!」

ネオ・A・D「紅蓮の炎よ。前世の姿を現せ!出でよ!ファウスト!」
効果音「ズドオーーーーーン!!!」
ナレーション「神崎の体が炎に包まれ爆弾とともに消滅したかと思われた。黒い煙の中から白衣の痩せこけた男が現れた。その男の目は虚ろでどこを見ているのか分からなかった」
間 人志「ファウスト…だ、誰だ?」
天使・エル「実在したドイツの学者です…ゲーテの作品でも有名です…。」
悪魔・ルビ「あの、悪魔に魂を売ったファウストのことか?」
間 人志「おい…なんかあいつ、やばいもん持っているぞ…」
エルとルビ「えっ?」


効果音「バチバチバチバチ」
一同「ば、爆弾?!」
ネオ・A・D「ファウストよ、そいつらを木っ端微塵にしてしまえ!」
一同「なにーっ!」
効果音「ビャッ、カツーン…カツーン…」
天野典子「皆、逃げて!」
ナレーション「真っ黒な手榴弾が人志らの目の前に落ちたのと典子の悲鳴が上がったのはほぼ同時だった。その瞬間、黒い煙が周囲を包んだ。」
効果音「ドカーーーーーーーーアアアアン…」


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