第1章・第4話「いけ好かない優等生」

効果音「キーン、コーン、カーン、コーン…」
ナレーション「テストからしばらくたったある日のことだった。今日は中間テストの結果の発表日だった。人志の学校ではテストの結果は教室に貼りだされる。早速結果が書かれた表に皆が群がっていた。」
間 人志「(ああ、今日はテスト結果が発表される日だな…なんか憂鬱だな…まぁ、名前が書かれるのは上位者だけだから関係ないけど…」
ナレーション「人志は高校に入学してから一度もテスト結果に名前が書かれたことがなかった。たいした期待もせず、教室に入ろうとしたとき、潔たちが人志の元に飛び込んできた。」


石田 潔(人志の友人)「人志!お前何をしでかしたんだ!!」
間 人志「…な、何だよ?!まさか、また先生に?」
効果音「バシッ」
ナレーション「人志がびくびくした表情でたずねると、今度は後ろから繁が彼の背中を叩いた。」
辻本 繁(人志の友人)「まったく、ネガティブな発想しか出来ない奴だな!人志、びっくりするなよ!お前の名前が載っているぞ!」
間 人志「へ?どこに?」
辻本 繁(人志の友人)「自分の目で確かめろよ!」

ナレーション「繁が人志を引っ張るようにしてテスト結果の発表の紙の前に連れて行った。目の玉ひんむいてみろといわんばかりに繁は人志を前に押しやった。」
間 人志「うあ?」


ナレーション「人志は何度も目をこすった。頬をつねってみた。紛れもなく自分の名前が上位者の中に交じっていた。しかも、1教科だけではなかった。」
悪魔・ルビ「奇跡だぜ!一番苦手の数学でこれだけ取れるなんてよ!」
天使・エル「私達が家庭教師をしたお陰ですね」
ナレーション「エルたちの言葉すら耳に入っていなかった。いつも赤点寸前の数学で93点だった。人志はボーっとした表情で前に立ち尽くしていた。」

間 人志「夢じゃなかろうか…ああ、夢ならこのまま覚めないで欲しい…」
ナレーション「その場に立ち尽くしている人志をみて、繁たちは呆れた表情をした。」
辻本 繁(人志の友人)「おい、涙ぐんでどうするんだよ…」
間 人志「だってよ、こんな点取れるなんてよ…俺、死んでもいい」
石田 潔(人志の友人)「今からそんなこと言ってどうするんだよ!人生長いんだぞ!」
神崎 隆一(クラスメート)「まったく、おめでたいやつだな…」
間 人志「…!」


ナレーション「一人の男が人志のことを眉をしかめて見ていた。彼は人志のクラスメートである神崎 隆一である。学年でも5位以内をキープしている優等生であったが、人を見下す性格が災いし、人望はあまりなかった。」
辻本 繁(人志の友人)「神崎…お前、その言いがかりはなんだ…」
神崎 隆一(クラスメート)「たまたまいい点を取ったくらいで舞い上がるなといいたいんだよ」
辻本 繁(人志の友人)「なんだと?!」
ナレーション「繁が神崎に食って掛かろうとしたそのとき、一人の生徒が独り言のようにつぶやいた。」

生徒A「あれ?神崎の名前、ないぞ?」
生徒B「本当だ、数学、名前ないぞ…あいつ、いつも数学1番だったのにどうしたんだろ?」
神崎 隆一(クラスメート)「くっ…!」
辻本 繁(人志の友人)「お前、ひょっとして名前が載らなかったから、人志に八つ当たりしてんのか?」
神崎 隆一(クラスメート)「なんだと!!」

ナレーション「一触即発の状態になったその時、担任の鬼塚先生が教室に入ってきた。」
神崎 隆一(クラスメート)「お、覚えていろ!」
間 人志「…」
石田 潔(人志の友人)「人志、気にするな、あいつはひがみっぽいからな」
ナレーション「予想外の点数を取って有頂天になってた人志だが、神崎の言葉に意気消沈してしまった。さらにもっと大変なことが起こるなども予想すらしていなかった。」


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