第1章・第1話「Halo」(天使の光輪)

効果音「キーン、コーン、カーン、コーン…」
ナレーション「今日は中間テスト最終日であった。最後の科目のテストの終了のベルが今、鳴り響いた。」
先生A「よし、終了!後ろの席のものは答案を回収するように!」
間 人志「ふーっ、終わった…」
ナレーション「人志は力が抜けたのか机に突っ伏した。もう、どんな気持ちでテストに臨んでいたのか覚えていなかった。」


辻本 繁(人志の友人)「よお、人志!」
ナレーション「いがぐり頭の男が人志に声を掛けた。彼は辻本 繁。野球部のエースで女の子にもてもての好青年であり、男からも人望の厚い奴だった。」
辻本 繁(人志の友人)「きょう暇か?今日、『Halo』のアルバムの発売日なんだが、お前も来ないか?」
間 人志「『Halo』…?あいつらが聴いてた?」
石田 潔(人志の友人)「おっ、珍しいな、お前が『Halo』知っているなんて、雪でも降るんじゃねえか」
ナレーション「人志よりもさらに明るい茶髪の男が人志に絡んだ。彼は石田 潔。小学校からの腐れ縁だ。軽そうだが、孤児であることでいじめられた人志を救ってくれたは潔だった。繁と同じ親友の一人だ。」


悪魔・ルビ「『Halo』のアルバムか!楽しみにしてたんだよ!」
ナレーション「繁たちの話を聴いて、ルビが思わずのりだした。だが、繁たちにはルビの声は聞こえなかった。それもそのはず、ルビたちは人志にしか見えないからだ。」
天使・エル「今度のアルバムは買いですよ!初回特典がコンサートを収録したDVDですよ!」
間 人志「なんで、初回特典の事知ってるんだよ!」
ナレーション「あんまり2人が騒ぐので人志が怒鳴ると、繁たちは不思議そうな顔で彼を見ていた。」
間 人志「あ、いや、何でも…」


辻本 繁(人志の友人)「いやあ、初回特典のことを知ってるなんて情報が早いぜ!お前にCD薦めたかいがあったもんだ!」
間 人志「あ、あ、ちょっと…」
ナレーション「人志は繁に押される状態で、教室を後にした。繁は誰に対しても世話好きだが、ちょっとずれているようである。それが彼のいいところでもあるが。」
間 人志「…」


効果音「”空よりも高く 高く 星よりもはるか かなた…”」
ナレーション「人志たちは学校の近くのCDショップに来ていた。ここの店は品揃えも豊富で、人志もよく来ている。店内では大音量である歌が流れていた。」
間 人志「な、なあ、この歌、誰の?」
辻本 繁(人志の友人)「こないだシングル出ただろ!『Tower』!」
間 人志「は、はあ…」
ナレーション「そういえば試験勉強のときにルビがでかい音でかけていたっけ…と人志は思った時、ルビがその歌にあわせて歌い始めた。」
悪魔・ルビ「俺の後ろにそびえたつ Tower〜♪」
効果音「ズドッ!」
ナレーション「突然のルビの歌に、人志はこけてしまった。それをポカンとした顔で潔が見ていた。」


石田 潔(人志の友人)「人志、大丈夫か?」
間 人志「ああ、ああ…」
ナレーション「人志がこけた衝撃で散乱したのか、彼の足元にはCDが散乱していた。」
間 人志「ルビ…お前が歌いだすから、あああ、お前も片付けろよ!」
悪魔・ルビ「なに?俺の歌、そんなによかった?」
間 人志「違うだろ!」
ナレーション「人志が我に返ると、店員や客たちが彼の様子を見ていた。ルビたちの力を使えば不審に思われる、そう思った人志は周りを見ずに片付け始めた。その時、ひとりの青年が彼に声を掛けたのだ。」


小原昇矢「君、大丈夫?怪我はなかった?」
間 人志「は、はあ…大丈夫です…す、すみません、俺がやります」
小原昇矢「いや、困っている人を放っておけないよ」
ナレーション「ショッキングピンクのド派手な髪をした青年は人志の傍に座り、一緒にCDを片付け始めた。青年は髪の色には似合わない童顔であった。」
効果音「ザワザワ…」
ナレーション「店員と客は青年の姿を見て、ざわめき始めた。このとき、人志はまったく気がついていなかった。まさか、店で流れている歌を歌っている張本人だとは思ってもいなかった。」


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