効果音「バーン…ジャララララ…」
天野典子「…」
ナレーション「携帯の着うたと共に典子は目覚めた。典子は布団にもぐったまま携帯に手を伸ばした。」
天野典子「…はい、もしもし…？」
ナレーション「典子はいかにも寝起きの声で携帯にでた。間をおいて、のんびりとした声が聞こえてきた。」
天界王「…あ、まだ寝ていたのか…」
ナレーション「その声を聞いて、典子は慌ててベッドから飛び起きた。だが、あまりにも突然のことにベッドから転げ落ちてしまった。」
天野典子「い、イテテテ…、な、なんですかっ？天界王様…？！」
天界王「いや、昇矢くんの方に電話をかけようとしたのだが、つながらなくてね。君のほうに直接かけたのだよ。」
天野典子「それを早く仰ってください！」
ナレーション「典子は思わず大きな声を出してしまった。その声に驚いたのか天界王は受話器を思わず話した。」
天界王「驚かせてすまなかった。いつもなら昇矢くんを通して典子くんに指令を伝えているのだが、今日は直接電話したのだよ。」
天野典子「そうなんですか…失礼しました。では、今回の指令はなんでしょうか。」
天界王「君も知っていると思うが、今、人間界で転生人間（リボーン）を妖怪に変えられる事件が相次いでる。」
天野典子「はい。それに何者かがかかわっているらしいと言うことで…」
天界王「実は、人間界でひとりの転生人間を戦士に目覚めさせた。彼はまだ戦士になって間もない、そこでだが…」
天野典子「はあ…」
ナレーション「典子は生返事をした。何か嫌な予感がする。こういうときに限って厄介な指令が来るのだ。」
間 人志「ぶえっくしょい！」
ナレーション「人志は中間テストに向けて猛勉強をしていた。傍にはエルとルビの２人の家庭教師がおり、いつもにまして気合が入っていた。」
天使・エル「ひとしさん、風邪ですか？」
間 人志「ああ、ちくしょう、誰かが俺のうわさしているようだ…」
効果音「ズババババーーーン！」
ナレーション「突然の大音響に人志はいすから落ちた。人志のMDコンポからハードロックが流れていた。」
間 人志「ルビ！何やってんだよ！」
悪魔・ルビ「『Halo』の曲は良いな。お前知らないか？」
間 人志「はあ？三波春夫か？」
悪魔・ルビ「あ、お前、流行オンチだったな」
間 人志「勉強の邪魔するなら、ヘッドフォンしろよ！」
天使・エル「ハローですか…私は、「Silver Moon」がお気に入りですね。」
間 人志「お前も交じってどうする！」
効果音「プルルルルルル…」
小原昇矢「…はい、昇矢です」
天界王「ああ、昇矢くん、私だ」
ナレーション「髪の毛をショッキングピンクで染めた若者が眠そうな声で携帯に出た。ど派手な髪の色に似合わず童顔であった。」
小原昇矢「典子くんから話は聞きました。しかし、やっかいですね…その日は…」
天界王「君も仕事で大変だと思う…しかし、これはひとりの少女の夢がかかわってくるのだ…その夢を壊してはならない…」
小原昇矢「はい…」
ナレーション「青年は壁に貼ってあるロックグループのポスターを見つめた。その横には小さな少女の写真が並べて飾ってあった。」