第3章・第9話「浄化の霧」

ナレーション「ネオは人志がさっきとはうって変わって鋭い目をしているのに動揺していた。姿こそは見えなかったが、ネオの炎が人志の言葉に戸惑うようにゆらゆらと揺れていた。」
ネオ・A・D「ば、バカな…あれだけ首根っこをしっかり噛まれた筈なのに…」
天地の戦士「…??」
ナレーション「人志が何気なく首の方を触っていたら、ベルト型のチョーカーが少し破けていることに気が付いた。チョーカーは思ったよりも丈夫で、ヴァンパイアの牙が首に深く食い込まずに済んだのだ。」
悪魔・ルビ「…お前は悪運の強い奴だよ…」


天地の戦士「え?」
悪魔・ルビ「何でもねえよ!」
効果音「ゴオオオオオッ!」
ナレーション「人志たちの傍を風がものすごい音で通り抜けた。人志が空を見上げると天界王と閻魔大王が空を舞っていた。」
天界王「人志くん!腕時計を使うんだ!」


天地の戦士「う、腕時計?」
ナレーション「空に舞っていた2人の王は近くの家屋の屋根に飛び移った。その様子にネオの炎は激しく揺れた。」
ネオ・A・D「て、天界王!え、閻魔大王…き、きさまら?!何故、ここに…??」
閻魔大王「人志くん!その腕時計で妖怪にされた人間を元に戻すのだ!右の時計の文字盤を手前にして、「カタルシス・ミスト!」と叫ぶのだ!」
天使・エル「ひとしさん!」

ナレーション「エルが人志に呼びかけた。目の前には頭を抱えて苦しむヴァンパイヤがいた。」
女A「ぐ、ぐわーーーっ!!」
悪魔・ルビ「早くしろ!ひとし!」
ナレーション「呆然としていた人志は2人の声にハッとした。そして、神妙な顔つきで武器用腕時計を見つめた。」
ネオ・A・D「そうはさせるか!」

ナレーション「ネオの鋭い声が背後からする。背中がなんだか熱い…ネオの炎はさっきの何倍、いや、何十倍にも大きくなっていた。」
ネオ・A・D「その女を元に戻す前にお前の体を焼いてやる!」
エルとルビ「早く!」
ナレーション「人志は武器用時計の竜頭を押した。そして、力強い声で叫んだ。」
天地の戦士「カタルシス・ミスト!!」


効果音「キイイイーーーーン!!」
ナレーション「武器用時計からは眩い光が発射され、暗闇だった辺りはあっという間に光に包まれた。」
女A「ぎゃあああああ!!」
ナレーション「ヴァンパイアの姿は次第に穏やかになり、最後には険しい顔つきは消え、元の女性に戻っていた。」
女A「あれ…私…何故、ここに…?」

天地の戦士「…」
悪魔・ルビ「ひとし、やったぞ!」
天地の戦士「ほ、本当か?」
ナレーション「人志は言葉を返すのがやっとだった。自分がしたことがよく分かっていないようだった。」
ネオ・A・D「く、くそっ!も、元に戻ってしまっては…覚えておれ!天地の戦士!この借りは必ず返す!」
天地の戦士「…」
ナレーション「ネオは悔しそうに捨て台詞を吐くと、紅の炎は音を立てて煙と共に消えていった。」


天界王「人志くん、よくやった…これからが大変だと思うが、よろしく頼むよ」
天地の戦士「え、ええ…ところで天界王様、元に戻る時はどうするんですか?」
天界王「変身用時計の竜頭をもう1度押せば、戻るよ」
天地の戦士「そ、そうですか…ふーっ、これでようやく…」
閻魔大王「待ちたまえ!人志くん、変身を解いたときは…!」
ナレーション「閻魔大王の言葉より先に、人志は変身を解除した。その時、人志の体は猛烈な疲労に襲われた。」
間 人志「か、体が…な、なんだか、だ、る、い…」
効果音「バタッ」

天使・エル「ひとしさん!」
ナレーション「人志は安心しきった表情で、うつぶせに倒れてしまった。」
閻魔大王「ああ!変身を解除した後は反動で疲れがドッとくるんだ…人の話を聞かないで…まったく!」
エルとルビ「…本当に」
ナレーション「人志が眠り込んだ姿を見て、2人はようやく安堵の表情を見せた。傍では2人の王が3人を見守っていた。」


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