効果音「タッタッタッ…」
ナレーション「人志たちが大騒ぎしていた頃、ひとりの女性が人通りの少ない夜道を歩いていた。」
女Ａ「いやだ…ここって本当に人気がないわね…ああ、通り魔事件のおかげでますます怖くなったじゃない…」
ナレーション「女性は歩調を速めてその場を早く通り過ぎようとしたそのとき、彼女の後ろから足音が聞こえてきた。」
効果音「カツカツカツ…」
女Ａ「（しつこいわね…）」
ナレーション「女性はさらに歩調を速めた。だが、足音はまだついてくる。女性は次第に不安になってきた。それとともに足音も女性の元に近づいてきたのだ。気配が彼女の背中まで近づいたそのとき、女性は肩を急につかまれた。」
効果音「ガッ！」
女Ａ「ウッ！！」
謎の男「お嬢さん、何を怖がっているのです？」
女Ａ「何なんですか！あなたはいったい？」
ナレーション「女性は自分の肩をつかんだ男性に向かって、怒鳴るように質問した。背広を着た男性は顔はよく見えなかった。だが、口元はどこかいやらしい笑みを浮かべていた。」
謎の男「おや…そんなつれないことを…こんな暗いところでひとりで歩いていたら危険ですよ…」
女Ａ「ど、どういう意味ですか？」
ナレーション「男はその質問に応えるかのようににやりと笑った。男は左の手のひらを出した。」
謎の男「こういうことですよ…」
効果音「ゴオオオオオ…ボワッ！！」
ナレーション「男の手から夏みかん大のヒトダマが出現した。その色は目もくらむばかりの紅い色だった。」
女Ａ「きゃあああああ！」
効果音「ビーッ、ビーッ、ビーッ！！」
天地の戦士「なんだ？！腕時計が！！」
ナレーション「変身腕時計が激しく鳴り出した。それと同時に陰陽のマークが光りながら回っていた。」
天使・エル「ひとしさん、大変です！ここから北東３キロの方向に、異常なエナジーの反応が！」
天地の戦士「なんだって？」
効果音「ヴヴヴヴヴヴヴモクテキチ…北東ノ方向ヘ３キロ…ワープセヨ…プーッ、プーッ…」
天地の戦士「へ？ワープ？う、うわーーーーっ！！」
効果音「ゴゴゴゴゴゴゴゴ…グォン…！！」
ナレーション「人志の周りには衝撃波が走り、それはものすごい振動を起こした。振動が収まった時、人志の姿はいずこへと消えていた。」
天界王「これで大丈夫だろう…目的地に一瞬につける時計のワープ機能を使った…人志くん、健闘を祈る…」
ナレーション「その頃、人志はワープによって、時計が反応を示した場所に着こうとしていた。」
天地の戦士「わーーーーーっ！！」
ナレーション「そこについた時は人志は空の上にいた。突然のことに人志はなすすべもないまま落ちていった。」
効果音「ヒュウウウウウウ…ガラガラガッシャーーーン！！」
天地の戦士「あたたたたた…」
天使・エル「大丈夫ですか？ひとしさん…」
悪魔・ルビ「ここはごみ置き場だ…何もなかったら命落としていたぜ…ところでここはどこだ？」
ナレーション「人志が2人の声に気がつき、あたりを見回してみた。そこは見たことのない場所だった。」
天地の戦士「ここはどこだ…？」
効果音「ココハ○□町３丁目…」
天地の戦士「○□町…？俺の住んでいるところの隣町か…それにしてもさっきの時計の反応はどこから…」
ナレーション「人志が独り言を言っていると、時計が機械的な声で話し始めた。」
効果音「マッスグ…前ヘ…ソノママ…マッスグ…ススメ…」
ナレーション「人志は時計の指示通り、まっすぐ前へ進んでいった。あたりはシンとしており、誰も通っている様子はなかった。」
天地の戦士「は、ははははは…機械のいうことも信用できないなぁ…だ、誰もいないじゃないか…は、はははは…」
ナレーション「人志があまりにも静かなので無理して独り言を言ってた。その時だった。人志の後ろから足音が聞こえてきたのだ。」
天使・エル「ひ、ひとしさん…う、後ろ…」
天地の戦士「…後ろ…？」
ナレーション「人志が恐る恐る後ろを振り向くと、大きな口の女性…いや、化け物が人志を見て、にやりと笑っていた。」
女Ａ「イヒヒヒヒヒヒ…」
天地の戦士「ぎゃああああああああ」
天界王「兄さん…大丈夫でしょうかねぇ…」
閻魔大王「さあ…何とかなるだろう…」
ナレーション「のんびりしている２人の王をよそに人志の身に何かが起ころうとしていた。」