第1章・第4話「死神よ甦れ、俺が戦士?」

ナレーション「人志は突然のことに頭が真っ白になった。自分にしか見えない天使と悪魔がまさか自分の前世であったなんて…。」
天界王「人志くん、相当ショックだったようだ…大丈夫かい?」
間 人志「大丈夫なわけないでしょう!!俺は施設の前で捨てられて、院長先生に育てられたのは知っていますが、まさか、こいつらが…この天使と悪魔が俺の生みの親だったなんて!エル!ルビ!何で今まで黙っていたんだよ!!」
ナレーション「パニックになっている人志の言葉にエルたちはばつの悪そうな表情をした。いつもは人志のことをからかっているルビはおずおずと説明をはじめた。」
悪魔・ルビ「それなんだが…エルと喧嘩をしたところまでは覚えているんだが、それ以降の記憶が途切れているんだ…どうやら、エルと融合した際に肉体と共に記憶が消滅してしまったようだ…」
ナレーション「人志はルビの言葉にがっくりとうなだれた。自分が孤児であることよりも、エルたちの生まれ変わりであったことが余計ショックだった。」


閻魔大王「ううん…君のケースはかなり特殊なようだ…転生人間の名簿を調べてみたんだが、君の名前が載ってなくてねぇ…」
間 人志「…」
ナレーション「人志は肩を落とした状態で腰を抜かしていた。しかし、さらに、天界王の口からまた衝撃的な事が告げられた。」
天界王「人志くん、落ち込む気持ちはわかるが、君が転生人間と知った以上、謎の敵に狙われる可能性が高くなった。このままではやつらに妖怪にされて君は人間でいられなくなるかもしれない!」
間 人志「そ、そんなこと、言われたって…ど、どうすれば…」

ナレーション「天界王からこのことを知らされなければ、落ち込まずに済んだかもしれない。だか、自分だけの問題では済まされないことだけは天界王たちの深刻な表情から理解できた。 」
天界王「やつらは転生人間を見分ける能力がある。だから、どんなに逃げようとも逃げ切れる保証はない…人志くん…君ができることはただひとつ、私達と共に謎の敵と戦って欲しい…」
間 人志「俺、人間ですよ、どうやって戦えっていうんですか?」
ナレーション「天界王は人志の言葉を待っていたかのように、あるものを懐から出した。それは腕時計のようなものだった。」
天界王「人志くん、これをつけなさい」


ナレーション「人志は無言でそれを受け取り、手首にはめた。一見、時計のようだったが、文字盤を見ると陰陽のマークがど真ん中に描かれていた。人志はまじまじとそれを見ながら、おずおずと質問した。」
間 人志「あのぉ…これから、どうすれば…」
天界王「The Death,be reborn…と唱えなさい…」
ナレーション「英語の苦手な人志は面食らった表情をした。そして、半信半疑でその呪文を唱えた。」
間 人志「The Death…be… reborn!」

効果音「ビカッ!!ヴォオオオオオオ…」
間 人志「うわあああ!!」
ナレーション「腕時計の文字盤が突然、光を発した。その光は一瞬のうちに人志を包み込んだ。」


効果音「ヴヴヴヴヴヴ…ヴォン…」
天界王「気がついたかい?人志くん…?」
天地の戦士「…えっ…?」
ナレーション「まぶしい光はようやくおさまり、人志の目はようやく部屋の中をとらえた。だが、どこか様子がおかしかった。自分が自分でないようだった。」
天地の戦士「(こんな服着てたっけ…?それに声もいつもと違っているようだな…)」
ナレーション「指先から足元までまじまじと見ている人志に、閻魔大王は鏡を差し出した。」
閻魔大王「人志くん、鏡を見なさい」
天地の戦士「あ、これはどうも…え、え、えーーーーっ??」

ナレーション「人志の目の前には明らかに彼とは別人の顔があった。髪の毛や目は緑色、やや、悪魔・ルビに似た顔立ちの少年の顔が鏡の中にあった。」
天地の戦士「ぎゃああああああ!お、俺、へ、変身してるーーー!!」


天界王「大声出さないでくれたまえ!君は悲鳴を上げると声がでかくなるんだから!」
天地の戦士「す、すみません…おい?エル?ルビ?」
ナレーション「人志はどうしていいのか分からないので、とりあえずエルたちに声を掛けた。だが、彼らはいなかった。」
天使・エル「ひとしさん、ここですよ…」
ナレーション「人志のすぐ耳元でエルの声がした。だが、姿が見当たらない。今度はルビの声が反対の耳から聞こえた。」
悪魔・ルビ「おい、ひとし、ここだ…」
天地の戦士「どこにいるんだよ?」
天界王「彼らはその腕時計の中にいる!」
天地の戦士「えーーーーーっ???」
閻魔大王「彼らも天使と悪魔の端くれ…変身した君をサポートするために協力してもらう!変身の呪文を唱えた直後に時計に瞬間移動できるようにしておいた。」
エルとルビ「なんですってーーー??」

天界王「君のしている右のピアスからはエルくんの声、左のピアスからはルビくんの声が聞こえるようになっている。人志くん、そこから彼らの指示を聞くことができる…」
天地の戦士「で、でも、敵が襲い掛かってきたら、どうやって対抗するんですか?」
閻魔大王「右手首の方に変身用時計とまったく同じものがついている。それがその場に応じた必殺技を出してくれる…」
ナレーション「人志は2人の王の話を上の空で聞いていた。自分が変身したこと、これから得体も知れぬ敵と戦わなくてはならないこと、しかし、それはなかなか実感として湧かなかった。」
天界王「人志くん、君が変身できることは誰にも話してはならない…敵は真っ先に君を消しにかかるだろうし、周りの人間にも危害が及ぶだろう…人志くん、これは天国、地獄、人間界の存続にかかわることだ。そして、人志くん、君自身の存在が維持できるか否かもかかっているのだ!」
ナレーション「人志は冷や汗をどっとかいていた。3つの世界を護るなんて、俺にできるだろうか、と。」


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